育苗ハウス巡回指導の様子

 4月も中旬を過ぎ暖かい日が多くなってきましたが、風は冷たく雨天の日もあり稲の育苗は管理しだいで生育に差が出てくる時期になってきました。農協では苗の状況確認のため、営農指導員が各農家の育苗ハウス巡回を行っています。


      4月中旬に は種 されたものは、芽を伸ばすためにシートをかけています。



      芽が揃い0.5〜1.0cmになるまでかけておきます。


 本年の種子は、昨年夏の猛暑の影響を受けて特にコシヒカリでは休眠が深い*1ために、発芽の不揃いや不発芽状態が懸念されます。また、暑い日にはハウス内の温度が一気に30℃以上に上がってしまうため、ハウス管理も重要です。巡回ではそのような点に注意しながら観察し、気付いたところを農家の皆様にお伝えしています。      


      農家の方から気になる点を聞き取りし、今後の作業について話し合います。



      苗の状況確認では、葉の状況だけでなく根の張り具合も大事です。



      4月初めに は種 されたものは、丈が伸びて揃ってきました。



      第1葉まで約4.5cn。間もなく緑化期*2を終えて硬化期*3に入る時期に差しかかります。


 育苗ハウスの管理は天候に大きく左右されます。生育不良や病気の発生がでないように5月の田植えまで管理作業は続けられます。営農指導員は随時管内を巡回し、状況の把握、情報収集、情報伝達を行っていきます。


*1休眠が深い・・・種子は乾燥状態では発芽しないが、温度・水分・光によって芽を出す活動に移る。水稲ではその休眠状態を打破するために浸種(水温10〜15℃の水に浸し種子に水分を吸収させる作業)し、催芽(28〜30℃のお湯につけて芽を出す作業)を行うが、休眠が深い場合は通常のやり方では発芽の不揃いや不発芽につながりやすい。

*2緑化期・・・被覆していたシートを取り急激な温度変化をさせないように徐々にハウス内の温度に慣らしていく時期。

*3硬化期・・・は種から田植えまで20日程度かかる目安の中で育苗の後半以降の時期を指す。田植えの5日程度前からは田植えに向けて自然環境に徐々に馴らしていく。